京都の異色デザイン会社、シュンビンについて、特徴や得意分野の傾向、デザイン事例、会社概要などをご紹介していきたいと思います。
シュンビンという会社は、本サイトで取り上げているパッケージデザイン業者の中でも、いささか変わった毛色の存在と言えます。もちろん現在はパッケージデザインを手広く手がけており、実績も多数。しかし、同社の前身は、樽やガラス瓶の製造や洗浄を行う、京都容器工業という会社だったとのこと。
しかし、同社を受け継いだ津村元英社長は、先細りする自社の業務需要を鑑み、大胆な方向転換を実施。まず2003年に、同社がもつノウハウを活かしたオリジナルデザインのガラス瓶の製造・販売を開始。これが、地酒や地ビールなどの業者の間で評判となり、地元京都のみならず、全国から依頼が殺到。その業務に関連し、ガラス瓶の形状を活かしたパッケージデザインの要望も寄せられるようになり、2008年以降は、パッケージデザインにもフィールドを広げたとのこと。ちなみに現在では、瓶を用いた以外のパッケージデザインにも対応しており、事例も多数紹介されています。
ちなみに、こうした津村社長の手腕はビジネス界からも注目され講演やセミナー依頼も多く寄せられるようになり、ついには2013年より経営コンサルティング事業にも進出。その勢いたるや、脱帽に値します。
シュンビンが手掛けるパッケージデザインの事例は、前述した同社の出自もあり、ほぼすべてがお酒や飲料、食品、調味料といったもので占められています。ただし決して瓶を用いたものばかりではなく、また瓶ものであっても瓶は他社調達でラベルや外箱デザインを自社で手掛けるというケースも決して珍しくありません。同社ならではのオリジナル瓶提供という強みだけでなく、デザイン力の面でもレベルが認められていると言えるでしょう。
なかでも印象的なのは、エスジートランシルバニアという東ヨーロッパのワインを扱う業者が依頼した、ルーマニアワインのハロウィン向け外装パッケージ。ルーマニアといえば、ドラキュラ、ドラキュラと言えば、黒い棺桶ということで、十字のクロスをデザインした遊び心満載のデザインを提供しています。ちなみにこの案件では、同社は瓶の提供はしていません。
逆に、お得意の瓶も含めた案件では、愛媛の栄光酒造の「みかんの酒」が秀逸。同地ご自慢の温州みかんを本格焼酎にブレンドしたというもの。限りなく球形に近い透明ボトルと緑色のキャップを組み合わせ、ラベルは縦に細長い最小限のものを使用。そして、外箱は、あたかも本物のみかんの運搬に使用されるようなダンボール箱を模してデザイン。遊び心満載の楽しさに満ちています。
引用元:シュンビン株式会社公式HP <http://www.shun-bin.com/> |
会社名 | シュンビン株式会社 |
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設立 | 1947(デザイン部門創設は2007)年 | |
所在地 | 京都府京都市伏見区横大路下三栖東の口町1-3 | |
加盟団体 | 不明/記載なし |